ちょっとテレビ取り上げられた、90歳のお爺さん(2013年現在)の本。
1953年(昭和28年)から日本に留学して、日本文学の研究者となって、
以降、一年の半分くらいを日本で過ごしていたようだ。
そんな人が書いた外人向けの日本紹介書。
内容は
鎖国時代からの外国との交流と、国の成り立ち。
4つの宗教(神道、仏教、儒教、キリスト教)+近代天皇。
自然と文化。それから庶民の暮らし。
やはり日本人を日本人足らしめるのは
どこまでいっても、島国という地形的な要因なんですね。
日本の文化は昔から独自に高度に発達していたけども、
島国だから外国に与える影響も限定的だったと解説されています。
ほかにも昭和初期のリーマンの人付き合いや、家族関係について、
結婚について、家屋のプライバシーの無さについて、
あれもこれも、島国と関連付けられて説明されてます。
島国で逃げ出せないから、日本のスタイルになったのでは?と。
もちろんそれには良い面、悪い面とありますが。
作者なりにそういう風に感じていると。
というわけでタイトルから全力ホルホルを期待すると
割と肩すかしを食らう内容かも知れません。
面白かったのは昭和初期の庶民の暮らしについてですね。
中でも子育てと老人については、たいへん興味深かったです
当時の子供は全力で伸び伸びと甘やかされていたそうです。
乳幼児期の死亡率の高さもあって、
子供が成長するまでは、神様からの預かりものという感覚があったそうです
平成の子育て論の「マナーや常識の厳しさ」って
いったいどこから来たのか不思議に思えますね。世知辛いです。
老人については
外国の老人より幸せに見えるらしいです
外国の老人は安食堂で飯くって、寂しく死んで行くのに、
日本の老人は儒教の影響からか、
家族に尊敬されて幸せそうに見えるんだって。
というわけで全体としては面白い本です
外人が外人に日本を紹介する内容としてはよく出来てると感じます
作中でキーンさんは(日本人にお馴染みの)ザビエルの功績について褒めてるんですが
その理由の一つに「日本の文化のレベルの高さを理解してた」からだそうです
当時の宣教師の感覚からするとこれがありえないそうです。
キリスト教を信仰しない土人は地獄に落ちるぞ!というスタンスが普通だったのに、
ザビエルは「日本人は文化のレベルが高いのに、
キリスト教がないの惜しいよね♪」くらいの感覚を持っていたそうです、
キーンさんってもしかしてザビエル的な人なんじゃないかと
勝手に思いました